医療の現場では人手不足が問題化しており、病院は人材確保に奔走しています。人材確保の手段のひとつとして、職員の出産後の職場復帰を確実にするために、病院内保育所の設置に取り組む施設が増えてきました※1。病院内保育士と、一般的な保育士ではどのような違いがあるのでしょうか。病院内保育士の現状とともに、詳しくご紹介します。
平成26年に厚生労働省が発表した「認可外保育施設の現況取りまとめ」※1によると、病院内保育施設の設置数は2761ヵ所となっていました。一般の保育園の数と比較すると、もちろんですが圧倒的に設置数が少ないです。現状は、病院内保育所の数が少ないため、病院内保育士の求人数もそこまで多くはありません。
今後、病院内保育所の重要性が高まり、設置が順調に増えていけば、病院内保育士の求人は増えていくことでしょう。実際に、平成26年から平成27年の1年間で、病院内保育所は117か所増えている状況です※1。
※1参照元:厚生労働省「認可外保育施設の現況取りまとめ」(https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000112872.pdf)
病院内保育士の求人は、全く出回っていないというわけではありません。以下のページでは、病院内保育士のメリット共に求人情報をご紹介しているので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
医療スタッフが育休後に確実に職場復帰できるよう、設置が進められている病院内保育所。病院内や近辺に保育所を設置し、医療スタッフの子どもだけ、または医療スタッフの子どもと地域の子どもを預かります。
比較的小規模での保育所運営となるため、一人ひとりに向き合った柔軟な保育ができる点は、一般的な保育園との大きな違いと言えるのではないでしょうか。また、保護者がすぐ近くの職場で働いているということもあり、何かトラブルが発生した時でもすぐに連絡をとって駆け付けてもらえる環境になっています。
一般的な保育園との違いとして、基本的に24時間365日開所している病院内保育所が多いという点。病院にはいつ患者が運び込まれるかわかりませんし、入院している方もいますね。臨機応変な対応を求められる医療スタッフをサポートするために、病院内保育士はいつでも子ども達を受け入れる環境を整えておく必要があります。
病院内保育所は、全体的に規模が小さい傾向にあるので担任制もなく、子どもの成長を楽しみながらゆとりをもって保育を行えるメリットがあります。小規模保育所であれば、大きな行事を行わないケースも。一般的な保育園に比べて業務量が少なく、日々事務作業に追われることも多くはありません。保育に集中し、保護者をサポートできる環境こそ、保育士にとってやりがいのある職場ではないでしょうか。
保育所の規模が小さいと、職員同士で密にコミュニケーションをとる機会が増えます。人間関係について余計なことを考えるよりも、「子ども達や保護者のために何ができるか」を考えて行動できるので、職員間だけではなく、保護者とも良い関係を築くことができるでしょう。