小規模保育に勤める保育士のメリット

小規模保育の特徴やメリット・デメリット、大規模保育との違いについてまとめています。また、定員19人以下の小規模保育所を運営する、株式会社メディフェアで働く保育士の智穂先生に、小規模保育所へ転職して感じたメリットについて伺いました。

メディフェアで働く智穂先生に
小規模保育所のお話を伺いました

小規模保育の特徴

小規模保育とは、預かる子どもの定員が6名~19名までの保育施設のこと。対象は0~2歳児であるため、3歳になって退園したら連携施設へ入園します。

連携施設とは、認可保育所や認定こども園、幼稚園など。小規模保育所は、2015年に施行された「子ども・子育て支援法」により認可保育所として認められています。小規模保育施設には細かい基準が設けられており、それによって3種類に分けることができます。

A型の小規模保育施設

  • 定員:6名~19名
  • 職員数:保育所の配置基準+1名
  • 職員資格:全員が保育士の資格を所有
  • 保育室の面積:0歳、1歳は1名当たり3.30m2 / 2歳児は1名当たり1.98m2

B型の小規模保育施設

  • 定員:6名~19名
  • 職員数:保育所の配置基準+1名
  • 職員資格:半分以上が保育士の資格を所有
  • 保育室の面積:0歳、1歳は1名当たり3.30m2 / 2歳児は1名当たり1.98m2

C型の小規模保育施設

  • 定員:6名~10名
  • 職員数:3名に1名(補助者をおく際は5名も2名)
  • 職員資格:家庭的保育者※
  • 保育室の面積:1名当たり3.30m2

※家庭的保育者とは、市町村が行っている一定の研修を修了した人のこと。

ほいくらぶのひとこと

小規模保育施設の良さは、職員一人が見る子どもの数が少ないことから、手厚い保育を提供できるところ。施設によって柔軟にプログラムを変更することが可能なので、レベルの高い教育が期待できます。子ども達一人ひとりにちゃんと目が届くこともあって、障害を抱えた子を受け入れる保育所もあるようです。

小規模保育と大規模保育の違い

小規模保育施設は、メリットがあればデメリットもあります。大規模保育施設と比べて、よりどちらが優れているかというよりも、どちらの施設があなたの考えに合うかを基準に判断すると良いでしょう。

小規模保育のメリット・デメリット

園児が少ない小規模保育施設では、園児の個性に合わせたプログラムを作成したり、そのときの様子を見て柔軟にプログラムを変更するなど、非常に手厚い保育を行うことができます。職員が少ないため風通しも良く、職員同士でコミュニケーションを取りながら、保育と向き合うことができるでしょう。

また、小規模保育施設によっては行事を行わないというところも。行う施設があったとしても、子ども達が少ないため準備の負担が軽く、保育に専念して子どもとの関わりを楽しむことができます。目が行き届く環境は保護者の安心にも繋がり、クレームを防ぐ要因にもなることでしょう。

一方、小規模保育施設のデメリットとしては、職員が少ない分狭い世界になるため、職員同士でトラブルが起こると全体の空気が悪くなってしまうことが考えられます。また、小規模保育施設には園庭がないケースが多いため、園外活動を行う際に危険が伴うことも理解しておくべきでしょう。

大規模保育のメリット・デメリット

園児が多ければ、保育士や関わる人の数も多くなります。人間関係はとても開けたものになりますし、人が多い分、フォローしあえる環境です。

また、仕事をきちんと分担する保育施設であれば、職員数の多さに比例して負担が減ることでしょう。保護者とトラブルが起こった際も、間に入ってくれる人が多くなります。

大規模保育施設では、行事を行う機会が多いため、行事に向けた準備などは保育士として良い経験になるのではないでしょうか。経験を積めば、別の保育施設に移ろうと考えたときも怖いもの知らずです。

一方で、職員一人で多くの園児をみる必要があるため、目が行き届かずにケガなどに繋がる可能性は高いですし、子ども達に手厚いケアを行うことは難しい環境。一人ひとりの個性に合わせることは難しく、多くの保護者と関わることで、クレームを受ける機会も増えます。

行事が大規模な分、準備がとても大変。保育士同士で上手く仕事を分担できないと、一人で多くの負担を抱えることになります。体力的にきついと感じるかもしれません。

小規模保育に対する世の中の意見

象のアイコン

園にもよりますが、大規模はいつも落ち着かない環境で、手のかかる子や甘え上手でない子は、埋もれている感じです。優しい保育士さんがたくさんいる小規模保育所が一番おすすめです。

ライオンのアイコン

大規模保育施設と小規模保育施設の両方で働いていました。あんまり規模は関係ないのではないかと思います。園によるのかと。保育士の質が重要なのだと感じます。

小規模保育所によっても、人間関係や待遇が全く異なります。転職をする際には、今勤めている保育園で「改善してほしいな」と思ったことが、次の転職先でしっかり対策されているかを確認しましょう

ほいくらぶのひとこと

小規模保育のメリットとして一つ断言できるとすれば、「子ども達と向き合って手厚い保育ができる」こと。保育士としてこれからも活躍していきたいと考えている方は、今一度自分がどのような保育をしたいのかを考えてみると良いでしょう。

【取材】智穂先生に小規模保育のお話を聞きました

ほいくらぶは、定員19名以下の小規模保育所を運営している株式会社メディフェアで働く保育士の智穂先生に取材を敢行。小規模保育のメリットや職場環境について、メディフェアへの転職ストーリーとともに詳しくお話を伺いました。

定員100名の保育園から小規模保育所へ転職、その理由は?

メディフェア智穂先生
松本智穂先生

―メディフェアへ転職される前は、どのような保育園・保育所に勤めていたのでしょうか。

長崎市内にある、定員100名ほどの認可保育園に勤めていました。業務を譲れる後輩が育ってきたこと、自分の子ども2人のうち1人の子育てが終わり、自分自身を見つめなおす機会があったことから、主任職を5年間担当したのちに転職を決意。一人ひとりの子どもにしっかりと目を向け、きめ細やかな保育ができる小規模保育への就職を希望しました。

―元々勤めていたのは、定員100名の大規模保育。そこから、一人ひとりの子どもと向き合うために、小規模保育への就職を希望されたわけですね。では、数ある保育所の中から、なぜメディフェアへの転職を決めたのでしょうか。

「従業員一人ひとりが夢や目標を持って生き生きと働く」という企業理念が、自分の考え方に合っていると思いました。実際に働いてみて、規定以上の保育士配置のおかげでゆとりをもって保育ができているのを感じます。子ども達にとってはもちろんですが、保育士にとっても良い環境なのではないでしょうか。

小規模保育は保育士の理想と現実の差を埋める

―保育士が小規模保育所で働くメリットとして、どのようなことがあると感じていますか。

小規模保育所に勤めてから、一人ひとりの子どもの成長や様々な情報を、全職員で共有しやすくなったのはメリットだと思います。規模が大きい保育園では、クラス運営や行事などに追われ、一人の子どもと丁寧に向き合う時間がなかなか取れません。前職では、「一人ひとりに向き合ってあげたい」という保育士としての理想と現実の間で常に揺れていましたが、メディフェアへ転職してきてからはそういったストレスがなくなりました。

―小規模保育所に転職をしてから、保護者、職員同士でのコミュニケーションに変化はありましたか。

はい。業務に余裕ができ、自分の気持ちにも余裕ができたことが良いコミュニケーションに繋がっているなと感じます。自分の気持ちに余裕があることで、保護者の方の心の状態まで以前よりも深く考え寄り添いたいと、思えるようになりました。また、職員同士は本当に仲が良く、お互いの休みの都合などを配慮してくれるのでとても助けられています。365日開園していますが、職員同士で協力しあえる環境なので、職員の急なお休みなどにもほぼ対応できていますよ。

―智穂先生が、周りの職員の方と協力しながら、保育士として理想の働き方を体現されているのが伝わってきました。今、保育士の理想と現実のギャップに悩んでいる方は、是非小規模保育所での勤務も検討していただきたいです。今日は、お話を聞かせていただいてありがとうございました!

ありがとうございました!

取材協力
メディフェアHP

引用元HP:株式会社メディフェア公式HP(http://medifare.jp/)

メディフェアは、長く働きづらいと思われている保育士の過酷な就業環境を改善するべく、さまざまな面を見直すことで待遇を良くし、保育士の皆さんが楽しく働くことのできる環境を目指しています。

  • 年収例:413万円~
  • 賞与年2回、月給の3.9~5カ月分支給
  • 週休2日制、有給休暇(6ヵ月継続勤務後10日付与)
  • 東京都・長崎県を中心に全国各地で保育所を展開

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