誤解されがちですが、保育士は体力勝負で体への負担が大きい仕事。加えて事務作業が多く、サービス残業や持ち帰り仕事を抱えてしまうという保育士もいます。実際にどれほどの保育士が残業や持ち帰り仕事をしているのか、ほいくらぶは100名の保育士に独自調査を行いました。(※独自アンケート期間2019/4/15~2019/4/30)
持ち帰り仕事や残業を経験しているか調査したところ、81.2%の保育士が「経験している」と回答。残業や持ち帰り仕事が「全くない」と答えたのは、たったの16%でした。
特に20.8%の保育士は、毎日のように残業や持ち帰り仕事を行っており、週の半分の時間を持ち帰り仕事や残業に使っている保育士は16%。持ち帰り仕事・残業した分は、お給料に反映されているかという問いに対して、「残業代をしっかりもらえている」と回答した保育士は17.9%でした。
保育士を辞めたいと考える原因のひとつとして、「残業や持ち帰りの仕事が多い」と答えた人は半数以上いました(※複数回答の結果)。保育士にとって、サービス残業や持ち帰り仕事を避けることはなかなか難しいようです。
多くの保育士が持ち帰り仕事や残業を経験していますが、一体どのような仕事を持ち帰っているのでしょうか。子どもたちと関わっている時間が長いため、子どもの面倒をみる仕事がメインだと思われがちな保育士の仕事ですが、実はこなさなければならない事務作業がたくさんあるようです。
日々子ども達の面倒を見る以外に、上記のような仕事を行っています。園によって異なるとは思いますが、園だよりやクラスだよりがまだ手書きのところも多いようですし、手作りおもちゃを作っている園もあります。
持ち帰りの仕事にかかる時間は、だいたい1~3時間の人が多いよう。なかには、8時間や一晩かかったことがあるという人もいました。発表会の衣装作りなど、大きな行事の前は特に仕事が増えてしまうようです。
上記で開設したように、保育士の仕事は保育だけにとどまりません。しかし、「保育=労働時間」になってしまっていることが残業や持ち帰り仕事の原因となっているようです。「子どもたちの帰宅後またはシフト交代後が本格的な仕事の開始となる」という意見もありました。
時間を要しているのが、連絡帳や日誌の記入、園だより・クラスだよりの作成、保育計画表を練るなどの事務作業。クラスだよりなどは、PCで印刷してしまったほうが効率的なように思えますが、「手書きのほうが気持ちがこもっている」といった理由から、PCを十分に導入できていない保育園もあるようです。
また、保育園では様々な行事を行っているため、行事の準備によってサービス残業が発生することもあるのだとか。どういった内容の行事にするのかを企画・会議、小道具や衣装を作成、保護者への連絡、飾りつけなど、行事前の保育士は大忙し。いくら時間があっても足りません。「もし転職をするのであれば行事が少ない園が良い」と答える保育士もいるほどです。
できるだけ残業をしなくてすむように、すきま時間を利用して仕事をこなそうとすると休憩時間さえもとれない場合があるようです。保育士の労働環境に多くの改善余地があることが、よくわかりますね。
現役保育士さんにインタビュー>>「私が保育士を辞めたかった理由」
保育士の業界は、まだまだ働きやすいとは言いづらいかもしれませんが、まだまだ改善の余地がある業界とも考えられます。実際に、保育士にとって保育の現場をより良いものへ変えようと、様々な取り組みを行う保育施設もあります。
企業主導型保育所・認可外の事業所内保育所を運営するメディフェアでは、サービス残業や持ち帰りの仕事を一切禁止しています。もちろん、時には残業が必要なときもあるでしょう。残業が発生したときは、しっかりお給料に反映するようにしているとのことです。
いくら「持ち帰らないように」「残業しないように」と言われても、仕事が残っていればどうしても残業しなければいけない状況になりますよね。メディフェアでは、どうしたら持ち帰り仕事や残業が発生しないようにできるかを、正社員の保育士・パートの保育士関わらずみんなで考えるようにしています。
お互いに協力して効率よく仕事をこなし、ひとりが多くの仕事を抱えなくてすむようにするなど、助け合いの気持ちを大切にすることで仕事をうまく分担しているようです。メディフェアは、保育士業界を良い方向に変え、就業環境を改善させていきたいと様々な取り組みを行っています。
今回、メディフェアの保育士さんに、本当に残業が発生していないのか、「保育士さんのホンネ」を伺いました。
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引用元HP:株式会社メディフェア公式HP(http://medifare.jp/)
メディフェアは、長く働きづらいと思われている保育士の過酷な就業環境を改善するべく、さまざまな面を見直すことで待遇を良くし、保育士の皆さんが楽しく働くことのできる環境を目指しています。