せっかく国家資格である保育士免許を取得したのに、「仕事が辛くて辞めたい」と感じてしまう原因はどういったことなのでしょうか。また、どのようなことが改善すれば、保育士として働き続けたいと感じるのか、ほいくらぶは独自で100名の保育士さんに複数回答可でアンケートをとりました。(※独自アンケート期間2019/4/15~2019/4/30)
保育士100名へのアンケートを実施したところ、最も多い辞めたい理由は「お給料が低い」という結果に。全体の8割以上が、労働に見合ったお給料をもらえないことに辛さを感じ、保育士を辞めたいと思うようです。
(厚生労働省の調査結果では、お給料を理由とした退職意向が59%となっています。※参照元:保育士等に関する関係資料(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/s.1_3.pdf)
また、残業や持ち帰りの仕事が多いことを選んだ保育士が半数以上、有休や産休などがとり辛いことを理由に挙げた保育士が3割いました。つまり、激務薄給や福利厚生の悪さから保育士という仕事に辛さを感じ、辞めようと考えてしまう人が多いよう。
また、結婚や出産、子ども成長とともに保育士を続けるのが難しいと感じる人もいるようで、家庭との両立が難しい就業環境がいまだに保育士の業界では改善されていないことが伺えます。
保育士を一度はやめてしまいたいと思ったにも関わらず、現在も保育士として頑張っている方へ理由を聞いてみたところ、全体の半数以上が「子どもたちが可愛いから」と回答しました。
子どもが好きだから保育士になったという方は、多いのではないでしょうか。子どもと触れ合うことを楽しみ、子どもの成長を見守ることにやりがいを感じて仕事に励むため、就業環境に不満があって辛い、やめたいと思っても、実際に辞めるまでには至らないようです。
また、別の答えとして多かったのは「転職が面倒だから」という理由。保育士は激務だという意見が多く、事務作業や持ち帰り仕事など、子どもと関わる以外にも非常に多くの仕事を抱えています。そこにプラスして転職活動をするというのが難しく、ほかの業界に転職するとなれば、どの業界に移るかを考える時間が必要なので、転職が辛く面倒に感じるのかもしれません。
保育士を続けている理由として、就業環境の改善を理由に挙げている人は1割にも満たないという結果が出ました。保育の仕事が好きだからこそ、この業界に身を置いている方が多いのですから、長く続けたくなる職場で働きたいですよね。
現役保育士さんにインタビュー>>「私が保育士を辞めたかった理由」
今後も保育士として働くのであれば、どのような保育園だったらうれしいか、前向きな意見についても聞いてみました。
労働に見合ったお給料がほしい、仕事の負担が大きすぎない園がいい、サービス残業はしたくない…。アンケートで多くの意見をいただきましたが、どれも当たり前に望んで良い職場環境であると感じます。
保育園に職場環境を整えてほしい場合は、まず相談してみることをお勧めします。しかし、それまで何年も同じルールで運営してきた保育園を変えることは、簡単なことではありません。保育の業界では様々な保育の形があり、保育士が働きやすいよう環境を整備している職場もあります。視野を狭めず、いろんな保育の現場に目を向けて転職を考えることも一つの手です。
辞めたいと感じている保育士が、保育園に対して変わってほしいと思っていることとして、「給与」「仕事量」「休み」に多くの票が集まりました。
結果からわかるように、辞めたいと思う原因は「保育士の仕事」にあるのではありません。「保育園という環境」の問題です。まだまだ労働環境を改善する余地がある業界ですが、すでに率先して職場環境を改善し、保育士が楽しくやりがいをもって働いている保育所があります。
企業主導型保育所を運営する株式会社メディフェアは、保育士が置かれている環境を改善しようと、就業環境の整備に力を入れています。例えば、頑張りをしっかり評価する形で給与や賞与を決めているだけでなく、サービス残業や持ち帰り仕事を一切禁止するなど。
そういった取り組みの結果、結婚・出産など女性のライフイベントによる保育士の離職率が、2011年の創業以来ほぼ0%。「復職したい保育所」として、多くの保育士から支持されています。今回、ほいくらぶでは、このサイトを作るにあたってメディフェアの保育士に取材を行いました。ぜひ、現場の保育士の声に耳を傾けてください。
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引用元HP:株式会社メディフェア公式HP(http://medifare.jp/)
メディフェアは、長く働きづらいと思われている保育士の過酷な就業環境を改善するべく、さまざまな面を見直すことで待遇を良くし、保育士の皆さんが楽しく働くことのできる環境を目指しています。